自然と人との共生を目指して
ー野生動物と歩んだ私の軌跡ー

【北極圏での学び】
〜狩人の本質と自然と共に生きる力〜

高校時代、私はカナダへ渡り、
9年間にわたり自然環境と向き合ってきました。
その最後の2年間は、
北極圏でイヌイットの人々と生活を共にしながら、
大学で環境学(Wildlife Management)を専攻。
夏には人里離れた地(アウトポストキャンプ)で
狩猟生活を体験し、
昔ながらの生活をする
イヌイットの人々と過ごすことで
狩猟の本質を1から学びました。
同時に自然と共に生きるという
知恵と厳しさを、肌で感じてきました。

【グアテマラでの挑戦】
〜ウミガメと村人の“共存”を模索〜

大学卒業後は、
青年海外協力隊としてグアテマラ共和国へ。
電気も水道も届かない沿岸の村で、
ウミガメの生態調査員として活動しました。
ウミガメの卵を生活の収入源とする村人たちに、
自然資源との共存の大切さを伝え、
持続可能な卵の採取と
孵化放流の仕組みづくりに取り組みました。


【国内での経験】
〜北海道から日光へ、
調査の基礎を築く〜

帰国後は北海道・知床財団にて、
ヒグマやエゾシカの調査・対策の基本を学びました。

その後、
環境省アクティブレンジャーとして
栃木県・日光国立公園へ。
ここでは二ホンジカの生態調査と対策に携わり、
現場での実践経験を積みました。


【軽井沢での実践】
〜クマと“共に生きる”町づくり〜
2011年からは長野県軽井沢町で
ツキノワグマ対策に本格的に従事。
クマ対策犬(ベアドッグ)のハンドラーとして山を駆け、
時にクマと直接対峙しながら、
人とクマが安全に共存できる町を目指して奮闘しました。




【直面した現実】
〜クマの誤捕獲という課題〜
同時に
クマの錯誤捕獲対応を行う中で
多くのクマが山中で
シカやイノシシを捕獲するための
くくり罠で捕獲され
手足を怪我したり
失っている痛ましい現状を数多く見てきました。
野生動物管理に関わる一猟師として
増えすぎたシカを減らしながらも
クマの錯誤捕獲が減らせないか、、、
「クマの錯誤捕獲を防ぎたい」
という強い想いから、
試行錯誤しながら考えた結果・・・
クマが錯誤捕獲されにくい
改良くくり罠〝WILD BEAR”を
開発することに成功しました。
【未来へ】
〜経験を活かし、全国へ共生の仕組みを広げる〜
2025年、
長年共に活動してきたベアドッグが引退するタイミングで、
私は新たな道を選びました。
これまで培ってきた経験をもとに、
野生動物管理のコンサルタントとして独立。
《WILD BEAR》の普及をはじめ、
人と野生動物のより良い関係を築くための
仕組みづくりを全国へと広げていきます。
最後に
私が目指すのは、
「生態系の保全を軸に、
野生動物と人が共に生きるための
持続可能なビジネスモデルを築くこと」
です。
その第一歩として、
私が開発した改良くくり罠を活用し、
増えすぎたシカなどによる
生態系への影響を抑えながら、
クマが誤って捕獲される「錯誤捕獲」や
罠による怪我を減らすことを目指しています。
私が北極で学んだ
WILD LIFE MANAGEMENT(野生動物保護管理)と
これまでの経験を活かして
増えすぎたシカの数を抑え、
奥山に生息するクマを保全するることが
一猟師であり、クマの専門家である私に
課せられた使命だと思っております。
人と野生動物が無理なく
共存できる未来を目指して。
このビジョンの実現に向けて、
これからも真摯に取り組んでまいります。

Karyudo GEN代表 大嶋元